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緊急報告 熊本震災医療班活動

 緊急報告 熊本震災医療班活動


 広島西医療センター 統括診療部長/研修管理室長の新甲です。

 このたびの熊本震災で被害を受けられました方々に、心からお見舞いを申し上げます。
 この文章を書いております平成28年5月12日現在も同地方では震度4クラスの活発な地震活動が継続しており、地域の皆様は不安な日々を過ごされておられる事と存じます。

 今回の震災に際し当院も医療機関として寄与すべく活動し、その際の現地の実情を被災地以外の方々にもお伝えできればという気持ちで、現地に派遣された医師に今回の記事を依頼しました。

 記事の前に、災害時の医療活動について簡単に説明致します。
 今回の震災や、平成23年の東日本大震災で「DMAT(ディーマット)」「初動医療班」という名前を耳にされた方も多くおられると思います。

 「DMAT:Disaster Medical Assistance Team(災害時派遣医療チーム)」とは、医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームです。
 要は災害発生直後の外傷他の救命救急などの場で主に必要とされる医療チームです。

 これに対し「初動医療班」(この名称はチームを派遣する組織によって異なる場合もあります)は、おおむね48時間以後が主な活動の場になります。
 具体的には「避難所生活で体調不良になられた方の診療」や「普段から服用している薬を持ち出せなかった高齢者の方への診療」などが代表的な例です。

 これらのチームは「行政機関」や「病院の所属組織(当院であれば国立病院機構)」の依頼・指示の下に組織的な医療活動を行います。

 当院は災害拠点病院でもあり、DMAT:1チーム、初動医療班:2チームが所属しておりますが今回当院のDMATチームには震災発生直後から「広島県庁他での情報収集への協力」が依頼され出動、初動医療班には「国立病院機構本部から現地への出動」が依頼されました。

 今回以下の記事を書いてもらったのは当院「初動医療班第1チームリーダー」の福島先生です。

 現地の実情と医療活動が皆様に多少でも伝われば幸いです。



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 熊本震災医療班活動


 広島西医療センター泌尿器科の福島です。

 はじめに、熊本震災で被災された皆様、ご家族などの関係者の皆様方に心からお見舞い申し上げます。

e0205769_19314440.jpg この度2016年4月14日、16日に発生した熊本震災に対し、国立病院機構初動医療班として、4月18日〜4月21日の4日間にわたり熊本市内で活動を行ってまいりましたので報告させていただきます。

 4月14日、1度目の地震が起こった時点で招集がかかりましたが、諸々の事情で中止になりました。16日の2度目の地震が起こった際は、確実に再招集がかかると思い、自分なりの準備を進めました。

 私にとって、病院外におけるチームの医療活動というのは人生で初めての経験であり、不安が強いものでした。そのために最低限の目標を設定し、それだけを達成しようと考えておりました。目標として掲げたのは、まず安全に広島に戻ることでした。これが最低限の目標と設定し、その次は自分たちの活動が生活も含め、被災した方々に負担にならないこと、日々の活動を終了後に話し合って次の日の活動に活かせるようにすることなどを設定しました。

e0205769_19343471.jpg 携行用品や物資の確認、私が病院を不在にする間の患者さんの引き継ぎなどをできる限り行って、4月18日午前6時、私・安田副看護師長・古濱副看護師長・下田薬剤師・前田事務の5人を1つのチームとして広島西医療センターを災害出動用の病院公用車(四駆のワンボックス車)で出発しました。途中荷物のぐらつきや大渋滞などに悩まされましたが、岩国医療センターのチームと合流し、16時に何とか本部である熊本医療センターに到着することができました。

e0205769_19352992.jpg 熊本医療センターは今回大きな被害を被った熊本城と道を挟んで接していますが、制限はあるものの電気や水道は通常通りであり、基本的な診療機能に問題となることはありませんでした。
e0205769_1939435.jpg宿泊場所として提供していただいた病院内の大講堂にシートをひいて寝袋生活を送りました。

e0205769_19415857.jpg 18日(到着初日)は移動及び活動班の報告を聞いて終了し、19日〜21日は日々避難所を回り、避難所の状況把握及び避難されている方々への声かけや必要な方々への診察といった医療活動を行いました。

 活動内容は熊本医療センターに設置された国立病院機構災害拠点本部で当日の朝8時のカンファレンスで決まり、17時に報告を行い終了するといった形が基本でした。

e0205769_19424257.jpg 19日は東区2箇所、20日は南区9箇所、21日は北区2箇所と計13箇所の避難所を巡りました。
e0205769_19443684.jpg 21日は疲労も重なっている中、土砂降りの雨で、非常に緊迫した形での活動でありましたが、無事に活動を終了し、帰路につきました。
e0205769_1947643.jpg今回の活動で一番良かったことは、全員無事に広島に戻ってくることが出来たことです。食事や生活の面、そして色々な予定変更があり、チームのメンバーには大きな負担がかかっていると感じながらも、最後までみんなで支えあって活動できたことに感謝しています。

 最後になりますが、被災された方々の安全と被災地の1日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。


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by kensyui | 2016-05-12 19:50


広島の総合病院 【大竹市】
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