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専修医(後期研修医)ブログ LA短期留学 その1

 え~ 台風と猛暑で身体的(「フィジカル」と読んでやって下さい。それに何の意味があるんやっちゅー話ですが『気分ですがな!気分!!』ということで。)に厳しい時期ではございますが、皆様いかがお過ごしでしょーか?

 相も変わらず研修医お世話係の新甲でありマス。

専修医(後期研修医)ブログ LA短期留学 その1_e0205769_18185234.jpg 「広島西医療センター 研修医ブログ」ですが、今回は若干毛色の変わった内容にしようと思っとります。
 今回から3回にわたって「専修医(後期研修医)ブログ LA短期留学記」を連載する予定デス。

  ちょっと説明&宣伝クサくなるのと、後の記事の内容ともカブるかもしれませんが、それは気にしないっちゅーことで。
 当院も所属している国立病院機構は、北は北海道から南は沖縄まで全国142病院があり、日本最大の病院チェーン店であることは以前にも書いたような気がします。

 日本各地の医学部を卒業後、このチェーン店内で初期臨床研修を受ける医師が年間約400人、2年で約800人の初期臨床研修医が142病院にいることになります。

 彼らは2年間の研修が終了すると、医師として更なるレベルアップをするためにそれぞれが希望する専門科に進む訳ですが、その進路の一つに「国立病院機構専修医(後期研修医)」という道があります。簡単に言うと初期研修に引き続いて国立病院機構内の病院で更に勉強を続けるということです。

 やっと今回のお題に近づいて来ましたワ。

 今回のお題「専修医(後期研修医)短期留学」というのは、国立病院機構が「世界に通用する若手医師を育てる」ために、旅費や滞在費、研修先で必要な研修費まで負担して、専修医(後期研修医)を2~3か月短期留学をさせてくれるっちゅーとんでもなく有難い制度な訳です。

 平成27年3月に当院で2年の初期臨床研修を終えた福島先生は同4月から当院泌尿器科専修医として勉強を始めた訳ですが、生まれ持ったアグレッシブさが顔出して短期留学に応募したところ、本部での面接も「勢いのみ!」で突っ切り、「LAに行ってこーい!!」になった訳です。

 まあめったにない機会をgetした福島先生に関心しましたが、本人がアメリカからメールで「お金出してもらってアメリカへ来させてもろーたんで、せめて後輩研修医や学生さんにこの素晴らしい制度を説明してやりたい。研修医ブログに何か書かせて下さい!」とゆーてきやがりました。

 「何でこんなに素晴らしいことを言うようになったんや? こいつもしかしてアメリカで頭を石にぶつけたか、とっても××なクスリでも???」と思わんでもありませんでしたが、帰国後会うと至って普通。

 あり~?

 といったような訳で前説が長くなりましたが、今回の「専修医ブログ」福島先生本人の文章に突入でありマス。


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LA短期留学 その1 【研修編】

 研修医2年を卒業し、泌尿器科後期研修医1年目となりました福島です。

 今回私は国立病院機構専修医海外留学プログラムを利用して、Los Angeles VA hospitalに研修に行ってきましたので、報告させていただきます。3回に分けて報告する予定です。まずは、研修内容から報告します。

 セキュリティーが厳しかったので写真はあまりありません。
 m(_ _)m


 全国の国立病院機構の専修医の中で書類審査、英語での口頭ディスカッションを経て今年は7人が選ばれ、奇跡的に入ることができました。プログラムとしては、研究ではなく実際の臨床現場の見学をするというのが一般の留学プログラムとは大きく違う点で、また往復の交通費や生活費の一部負担があり、すごくメリットが大きいものです。

 今年度初の研修ということで、情報がほとんどなく、どうしたらいいかよくわからずに渡米しました。まず、入国審査でビザがないのに研修に来たのかと言われ、うまく説明できないまま、別室に通されて尋問されたのはいい経験でした。Sightseeingと言っていいと後で言われ、先に言ってくれればよかったのにとちょっと思いました。

専修医(後期研修医)ブログ LA短期留学 その1_e0205769_1824173.jpg 研修は7週間で、初めの5週間を泌尿器科、残り2週間を緩和ケア科と感染症科を1週間ずつ回らせていただきました。
 泌尿器科では、月・火・金が外来日で、水・木が手術日でした。また、水曜日は早い時は朝6時半から、遅くても7時半からUCLAでカンファレンスがあり、朝から移動するのが大変でした。しかし、朝ご飯を食べながら様々な講義を聞けるというのはアメリカっぽくていい経験でした。また、1年に1回しかない学会もUCLAで開かれ、参加させていただきました。


 基本的にここの病院では夕方4時とか5時には仕事を終了し、みんな帰っていきます。医師の数が多く、泌尿器科だけで20人前後いること、ナースプラクティショナーという人たちが問診を取ったり、簡単な処方をしたりと日本の研修医のような役目を果たしていること、専門の科が日本以上に細分化されていることで仕事量はかなり少ないです。もちろん手術日は違って、遅い時は22時くらいの時もありましたが、アフターファイブは充実していました。

 一番驚いたことは、術後の在院日数が非常に短いことです。みんなバルーン留置したまま自宅に帰ります。そのため、病棟業務はほとんどありませんでした。

専修医(後期研修医)ブログ LA短期留学 その1_e0205769_1836786.jpg 緩和ケア科はこちらでは専門科であり、色々な科からのコンサルトを受けて活動していました。基本的には患者さんの所に行ったり、合同カンファレンスを行ったりすることが多かったです。特に、家族を交えてのカンファレンスでは、電話で行うtelemedicineが印象的でした。
 複数の科のDr.、ソーシャルワーカーが1つの部屋に集まって、電話を取り囲んで電話で家族と今後について相談するというものです。カリフォルニア州だけでも非常に広いため、こういった形の手段も取る必要があるとのことでした。
 また、VA hospital限定みたいですが、DNR(急変時蘇生不要)の意思を表示した人は手に紫色のリストバンドをしていて、何かあった時にみんながわかるように情報共有しているとのことでした。確かにいちいちカルテを開いたり、看護師さんに確認を取ったりしなくてもわかるシステムというのは大事だと思います。

 感染症科では、朝からコンサルトを受けた患者さんのところに行き、昼にカンファレンスをした後、チーム回診を行うという日々でした。木曜日の午後からはHIV外来を見学し、日本では見ないような症例をたくさん見させていただきました。

専修医(後期研修医)ブログ LA短期留学 その1_e0205769_18371629.jpg どの科も皆さん優しく接してくれて、拙い英語を理解してくれました。もちろん、アメリカの免許がないので、診療行為はおろか患者さんに触れることもできませんでしたが、見るということも1つの勉強だと感じました。
 ただ、日本と違って、質問とかやりたいことははっきりと意思表示しないといけないので初めは大変でした。  最後の方は、この資料が欲しいとかこれについて教えて欲しいっていうのを遠慮なく言いましたが笑

 こういった経験をしてみたいという学生さん、初期研修医がいたら、ぜひ国立病院機構、できたら広島西医療センターで初期・後期研修をしてみませんか?
 前例ができたので、次行く人は行きやすいかと思いますよ!!


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P.S.【新甲より皆様に 誤解の無いよう】
 国立病院機構は過去の経緯から『国立』と名前がついていますが、独立行政法人であり『国からの補助金は一切もらっていません』。 平成27年4月より職員も全員『非公務員』されました。
 ということで、今回の福島先生のLA研修に『皆様の血税は一切使われておりません』のでご安心下さい。ww

by kensyui | 2015-07-28 18:59


広島の総合病院 【大竹市】
独立行政法人 国立病院機構
広島西医療センター

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